町並みのなか、ビルの谷間にも、人々の生活のあるところには、必ずこんもりと茂った森があります。 森は神々をまつる場所として、古くから大切に守り伝えられてきました。そうした森に囲まれて神社が鎮まっています。 日本には、天照大御神(あまてらすおおみかみ)をまつる伊勢の神宮をはじめ、たくさんの神社が鎮座しています。 それぞれの神社は、創祀以来その地に住む人々の崇敬を集め、祭り等を通じて常に地域社会と関わり、今日に至っています。 神社の入り口には、そこが神聖で清らかな場所であることを示す、鳥居がたっています。 鳥居は、古くから日本人が神聖なものを表すシンボルとしてきました。 神社の鳥居は深い森や巨木の傍ら、山の頂や麓、川岸や海岸、島や岩礁など、神さまの力を見いだす場所にたてられています。 北海道の神社は、主に海岸部の漁業や交易の守護としてまつられたお宮と、 開拓とその後の農業林業の守護としてまつられたお宮に大別されます。 そこは地域に根ざし、厳しい自然と向かい合って生きてきた人々の心意気が込められた場所であり、 心の支えとしてきた精神文化の生きた証拠でもあります。 大海原を見渡し、限りなく広がる田畑を見つめる神々の息吹が宿る場所であり、 そこで行われる祭りはその息吹に直接接する機会でもあります。 何気ない普段の暮らしに、心の充実を求めるとき一度は触れたい先人の心、それが神社ではないでしょうか。