お正月に家々に迎えまつる歳徳神【としとくじん】は、歳神【としがみ】さま・お正月さま「としこしさま」などとも呼ばれました。 「年」は稲の稔りのことで穀物神であり、その根底にあるのは穀物の死と再生であります。 古代日本で農耕が発達するにつれて、年の始めにその年の豊作が祈念されるようになり、 それが歳神【としがみ】さまを祀【まつ】る行事となって正月の中心行事となっていきました。 現在でも残る正月の飾り物は、元々歳神【としがみ】さまをお迎えするためのものであります。 門松は歳神【としがみ】さまが来訪するための依代【よりしろ】であり、鏡餅は歳神【としがみ】さまへのお供え物でありました。 各家で歳神棚【としがみだな】・恵方棚【えほうえだな】などと呼ばれる棚を作り、 そこに歳神【としがみ】さまへのお供え物をしたのですが、床の間におまつりする場合もあります。 最近では、神棚の下に垂らしておまつりする家が多くなってきているようです。
新しい年の穀物の稔りを約束してくださる神さま、私達に生命を与えてくださる神さまであり、 いつも私達を見守ってくださる尊い神さまと申し上げてよいでしょう。
歳神【としがみ】さまをはずす日は、門松や松飾りを外す日と同じで、地方によって様々です。 お飾り等と一緒にどんど祭(どんど焼き)などでお焚き上げしてください。 焚き上げする日時は、早いところでは正月七日、一般には正月十五日頃までにに行うところが多く、 各地やその神社によりそれぞれ違いますので、お近くの神社に問い合わせてから納【おさ】めするようにしましよう。 地方によっては歳徳神【としとくじん】歳神【としがみ】を一年を通してお祀りする地域もあります。
歳神【としがみ】さまは、神社によっていろいろ違っていますし頒布【はんぷ】(お頒【わか】ち)していない神社もあります。